Biochemical Assay Society of JAPAN (since 1996)
標準化事業等
1)最近の取組み
平成22年11月に公示・制定された「JIS K0461:競合免疫測定方法通則」について、原案作成した当研究会は最新情報等をふまえ改訂に向けた検討等に取り組んでいます。
また、経済産業省の国際標準化事業として、「フローイムノセンサによる水中のダイオキシン類測定方法」及び「AhRアッセイ方法によるダイオキシン様作用の検出方法」の国際規格(ISO)の策定に向けて取り組んでいます。
2)主な成果
関連技術について、工業標準化法(昭和24年)に基づき制定される国家規格であるJIS(日本工業規格)化に向けて、当研究会が原案作成団体として中心となり鋭意取り組んでいます。現在、標準化されているものは下記のとおりで、その内容はJIS検索画面にて確認できます。JIS検索画面
JIS K 0464
ポリクロロビフェニル(PCB)の免疫測定方法通則
Guidelines for PCB immunoassay
JIS K 0463
アリル炭化水素受容体結合レポーター遺伝子アッセイ通則-ダイオキシン類のAhRアッセイ
Guidelines for reporter gene assay binding on arylhydrocarbon receptor-Assay of Dioxins in an Ah Receptor
JIS K0462
非競合免疫測定方法(サンドイッチ法)通則
Guidelines for non-competitive immunoassay (Sandwitch method)
JIS K0461
競合免疫測定方法通則
Water quality-Guidelines for competitive immunoassay
3)これまでの取組み
平成20年度
下記2件が2009.03.20に公示されました。
JIS K 0463:2009 「アリル炭化水素受容体結合レポーター遺伝子アッセイ通則―ダイオキシン類のAhRアッセイ」
JIS K 0464:2009 「ポリクロロビフェニル(PCB)の免疫測定方法通則」
平成19年度
「PCBの免疫測定方法通則」のJIS原案を作成した。
平成18年度
「芳香族炭化水素受容体結合レポーター遺伝子アッセイ通則」のJIS原案を作成した。
非競合免疫測定方法(サンドイッチ法)通則 (JIS K0462:2008)の公示
・平成17年度の検討結果は、JIS K0462:2008として公示された。
(公示までの経過)
・日本工業標準調査会標準部会 環境・資源循環専門委員会(第25回)で承認された。
・官報公示(2008.03.21)
平成17年度
(検討概要)
(1)個別測定法の標準化への展望
競合免疫測定方法通則をベースに個別物質の測定のための具体的なJIS原案作成の可否を検討した。対象物質として農薬を選定し、類似の構造毎にグルーピングして、それら構造類似の農薬を同時に一斉分析する方策の可能性を精査した。農薬の分類方法および検出実態等を調査し、市販されている農薬ELISAの性能を比較検討することで交差反応性に起因する問題点を指摘した。
(2)免疫化学測定方法・非競合法(サンドイッチ法)のJIS原案作成
高分子物質を対象とする免疫化学測定方法・非競合法(サンドイッチ法)について測定法通則のJIS原案を作成した。既存のJISとの整合性の観点からJIS K0461:2006競合免疫測定方法通則をベースにして規定項目を作成することとした。妥当性の基準として定量下限、検出下限について客観的に定義する手法を盛り込んだ。
競合免疫測定方法通則(JIS K0461:2006) の公示
・平成15、16年度の検討結果は、JIS K0461として公示された。
・日本工業標準調査会標準部会 環境・資源循環専門委員会(第18回)審議
・官報公示(2006.01.20)
平成16年度
(検討概要)
対象物質が農薬類のような低分子化合物と蛋白のような高分子化合物とでは免疫測定法の測定原理が異なるため、前者については競合法、後者は非競合法(サンドイッチ法)で測定法での一般化が必要となる。競合法通則のJIS原案は平成15年度JIS原案作成調査研究で水質-競合免疫測定方法通則を作成し提出しており、本調査研究においては高分子物質を対象とする免疫化学測定法・非競合法についてJIS原案を作成することを当初予定していた。しかしながら、1)環境中に存在し、定量分析を必要とする高分子化学物質は限定されること、2)免疫化学測定法の対象物質としては土壌中に存在する難分解性化学物質(PCB、ダイオキシン等のPOPs)が着目されていることから、重要性と緊急性を鑑みて「土壌を対象とした低分子物質の免疫測定法(競合法)通則」を作成することに方針を変更した。ISOならびにJISにおける土壌関連規格を調査し、JIS原案の作成に着手した。既にJISCへ提出されていた水質に関する競合法通則(平成15年度JIS原案作成調査研究)を対象に比較検討を行った結果、土壌に特化したJIS原案を個別に作成するよりは水質と土壌を含めた横断的な通則を作成することが妥当との結論に至った。即ちISOでは測定対象物質を含む媒質ごとにTCが細分化される不備があるが、JISとしては媒質を問わない測定法通則とすることとした。水質に関する競合法通則を改訂し、附属書の参考部分を補足するため、その内容、記述について討議し、「競合免疫測定方法通則」としてて提出した。
平成15年度
(検討概要)
免疫測定法に関する唯一のISO規格はISO15089:2000,Water quality - Guidelines for selective immunoassays for the determination of plant treatment and pesticide agentsである。本国際規格が有する問題点、課題を精査し、測定法を一般化させ通則とするための規定項目、記載方法について検討した。またISO15089を検討したTC147(水質専門委員会)の幹事国であるDIN(ドイツ規格協会)を訪問し、本規格のコンビナー、執筆者らと審議の過程で問題となった点、免疫測定法に対するISOのこれからの検討予定、ならびに日本で検討している通則化について意見交換を行った。あわせてUBA(ドイツ環境省)、IGB(ライプニッツ研究所)を訪問し、免疫測定法の環境計測への応用、及び標準化の利便性について使用者の立場からの意見を聴取した。
平成14年度
標準化の必要性等を、バイオテクノロジー国際標準化セミナー(JBA主催:2002.12.04)で、本研究会の大川会長が「免疫化学測定法の研究開発事業化と標準化」として講演され、化学工業日報(2002.11.14)において同セミナーが紹介された。
講演要旨 新聞記事