研究対象及び研究会名称の変更について (趣意書)
(2006.06.23 第11回総会)

 免疫化学測定法研究会は、化学物質の新しい迅速・簡便・高感度測定法に関連する基礎研究、開発、普及、標準化を促進し、産・官・学にわたる情報交換、技術交流や会員相互の連携を図ると共に、内外関係諸機関との交流を目的として、平成8年6月7日に理化学研究所鈴木梅太郎記念ホールでの総会において発足し、皆様方の多大なるご尽力により、今年で丸10年を迎えることができました。
 この間、標準化に関しては、平成18年1月20日付の官報にJIS K0461として「競合免疫測定方法通則」として公示され、さらに「非競合免疫測定方法(サンドイッチ法)通則」についてもJIS原案を作成し、現在審議段階にあります。
 一方、ダイオキシン類などの極微量有機汚染物質の測定は高分解能GC/MSを用いた機器分析等によって行われていますが、ダイオキシン類受容体(AhR)を用いたレセプターアッセイ方法などのバイオアッセイが簡易測定方法として求められており、今年度は、AhRアッセイ方法の通則原案の作成を目標としています。
 高分解能GC/MSなどを用いた機器分析が分子の種類の同定とその量の測定を意図しているのに対して、レセプターアッセイ方法は分子の生体影響の測定を意図しています。今後は、両データを基にした、リスクの評価と管理が求められると考えられます。
 そこで、当初の目標のひとつである免疫化学測定方法の標準化をほぼ達成したことから、次の目的として、レセプターアッセイ方法などの生物化学的測定の基礎研究、開発、普及、標準化、公定法化を促進し、産・官・学にわたる情報交換、技術交流や会員相互の連携を図ると共に、内外関係諸機関との交流を目的とした研究会として、次頁の通り改変することを提案させて頂きます。

1)研究会の名称
 日本名 : 生物化学的測定研究会
 英文名 : Biochemical Assay Society of Japan
2)研究会の目的
 化学物質などのリスク評価、管理(監視、追跡、識別など)を目的に生物化学的測定方法を研究開発することを支援し、それらの普及、標準化、公定法化などを目指す。
3)測定対象媒体
 下記媒体を生物化学的に測定することにより、環境、食糧、ヒトと生態系(ヒト等の生物種)に対するリスクの評価と管理に寄与する。
 (1)環境(水、土壌、大気など)
 (2)食糧(農産物、水産物、畜産物)
 (3)ヒトと生態系(ヒト等の生物種:尿、血液など)
 (4)その他
4)測定対象物質
 下記の物質等を測定対象とする。
 (1)POPs、(2)残留農薬、(3)抗生物質、(4)サプリメント、(5)毒素、(6)重金属、(7)その他(遺伝子、蛋白質、ペプチドなど)
5)生物化学的測定方法
 生物機能や生物素子(下図参照)などの生物化学的特異性に基づく測定方法とする。